中国と日本の水の違い - 暮らしの中で感じたギャップ -

中国と日本の水の違い - 暮らしの中で感じたギャップ -

今回は、私、中田が子供の頃に暮らしていた中国・長春と、現在暮らしている日本で感じた「水」にまつわる文化の違いについてお話ししたいと思います。

そのまま飲める?飲めない?

まず、私が中国で暮らしていた頃の水道水についてお話ししましょう。中国では水道水はそのまま飲むことができません。飲用する場合は、必ず沸騰させてから飲むのが一般的でした。これは、水道水に含まれる細菌や不純物を取り除くためです。私が実際にその沸騰させた水道水を飲んだ時、少し独特なにおいや味を感じて飲みづらかった記憶があります。そのため、家では沸騰させたお湯を冷まして飲んだり、ウォーターサーバーを利用したりしていました。

しかし、9歳で日本に帰国し、日本の小学校に通い始めた時、大きなカルチャーショックを受けました。それは、休み時間に運動場で遊んでいた同級生たちが、階段の踊り場にある水道から直接水を飲んでいたことです。最初は「大丈夫なの?」と驚きましたが、みんなが当たり前のように飲んでいる様子を見て、私も試してみることにしました。一口飲んでみると、全く匂いがなく、喉にスーッと入っていく感覚がありました。これまで水道水をそのまま飲んだことがなかった私にとって、とても新鮮な体験でした。それ以来、日本では水道水がそのまま飲めることに安心感を覚え、小学校に水筒を持っていくこともなくなりました。

日本では水道水をそのまま飲むことができるため、スーパーで飲料水を購入する必要は少ないですが、美味しい水を求めて購入する人も増えています。普段口にする水を、より良い水にしたい人々の間で、高品質な飲料水の需要が高まっています。一方、中国では飲み水を確保するために、家庭用ウォーターサーバーやペットボトルの水を利用するのが一般的であり、一定の費用がかかります。この点は、中国と日本の水に対する環境や習慣の違いを象徴していると感じます。

浴槽のある生活、ない生活

もう一つ、私が大きな違いを感じたのは「入浴文化」です。日本では、ほとんどの家庭に浴槽があり、湯船に浸かる習慣があります。冬の寒い日には、温かいお風呂に浸かることで一日の疲れを癒すことができるため、私もこの文化がとても好きです。しかし、中国では、多くの家庭に浴槽がなく、シャワーだけで済ませることが一般的です。

私が中国で暮らしていた頃、親戚の家にはどこも浴槽がありませんでした。最初は不思議に思い、なぜ浴槽がないのか親戚に尋ねてみたことがあります。その答えは、「浴槽は大量の水を使うので、もったいないと感じるから」でした。私の考えですが、中国では水道水をそのまま飲めないので、水を入手するには手間とコストがかかります。そのため水に対する節約意識が日本よりも高く、こういった習慣が根付いているのかもしれません。

しかし、全く浴槽文化がないわけではありません。私と親戚は、月に2〜3回程度、大浴場(スパ)に行っていました。これは、日本の温泉やスーパー銭湯に行く感覚に似ており、大浴場に行くことでリラックスするという文化が一部には根付いています。また、高級マンションの内見に行った際、浴槽付きのバスルームがある物件もありました。経済的な余裕がある家庭では、浴槽を設置するケースがあるとわかりました。

水が暮らしに与える影響

こうした違いを振り返ると、水は単なる生活必需品であるだけでなく、その国の文化や価値観を映し出す存在であることが分かります。日本では、水道水をそのまま飲めることが当たり前であり、お風呂で湯船に浸かることも日常的な習慣です。しかし、中国では水道水を飲むことができないため、飲み水を確保するために別の手段を取る必要があります。また、浴槽を持たずにシャワーのみで済ませる家庭が多いのも、水資源の使い方に対する考え方の違いによるものでしょう。

私自身、中国と日本の両方の環境を経験したことで、水に対する価値観の違いを肌で感じました。そして、それぞれの国における水のあり方が、人々の暮らしや習慣を大きく左右していることを改めて実感しました。今後も、こうした文化の違いに注目しながら、新しい発見をしていきたいと思います。

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